「いつまでたっても『不安だ』とおっしゃるのでは物事が進まない。きちんとした措置を取ったということで進める」
河野太郎デジタル相は総点検会合後の会見で、保険証の廃止を方針通りに進める理由をこう語った。
しかし、廃止の前提だったはずの不安払拭がなされていないことは、マイナ保険証の利用率の低さに表れている
関東地方の自治体職員は「マイナ制度に不安を感じる住民が自治体に問い合わせに来ることは少なくない」と明かす。「総点検の作業もあって人手不足の中、振り回されるのは職員だし、一番の被害者は国民」
全国7070の医療機関のうち87.8%が「現行の保険証を残す必要がある」と答えた
「任意取得だったのに強制されるのは当初の話と異なる。さらに情報を民間で利用するために使うのはおかしい」
「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に向けた取り組みの推進(887億円)」、「電子処方箋の全国的な普及拡大や機能向上の推進(251億円)」、「全国医療情報プラットフォームの開発等による保健・医療・介護情報の連携と利活用のための基盤等の整備(91億円)」
将来的には国民の医療情報をデータベース化し新薬開発等の2次利用も視野に入れる
トラブルの実態を公表し続けても、政府はマイナ保険証利用によるオンライン資格確認システムの運用を停止することはない。
マイナンバーカードに搭載されている電子証明書の有効期限は5年。保険証利用の初回登録が最近でも、カード交付から5年が過ぎると失効する。失効前に地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から「有効期限通知書」が送付される仕組みだが、更新を忘れると保険証としても使用できなくなる。
「マイナ保険証のトラブルが来年秋までに解消するとは思えない」