- いいぞいいぞ、どんどん減らせ、マイナカード取得。
来年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証の未取得者に代わりとなる「資格確認書」を発行すると、年間で5億5000万円の追加コストがかかる—。そんな試算が9日、立憲民主党の会合で示された。岸田文雄首相は、全員に発行する現行保険証より対象者が少ないとして「コストや事務負担が減少する」と強調するが、野党からは疑問の声が相次いでいる。
試算は立民の山井和則衆院議員の事務所が独自に作成。マイナ保険証を取得していない人全員に、有効期間が最長5年の資格確認書を発行するコストを、1件につき500円かかるなどと仮定して計算した。
マイナ保険証の取得率が現在の約5割のままだった場合、残り5割への資格確認書発行には年間183億2000万円かかり、現行保険証より5億5000万円増えるとの結果になった。
政府は「マイナ保険証の利用者が増えれば、資格確認書の発行枚数はどんどん減り、手間もコストも省ける」（河野太郎デジタル相）と説明する。だが、資格確認書を申請なしでも交付する方針に転じたことで、取得は伸び悩むとみられている。一度登録したマイナ保険証の解除も可能になるため、現在より取得率が低下する可能性もある。
