岸田文雄首相は12日夕、マイナンバー情報総点検本部の会合で、従来の方針通り健康保険証を来年秋に廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に移行する方針を正式に表明した。
医療現場でのトラブルも相次ぎ、現行の保険証を廃止する環境が整ったとは言い難く、利用者や医療現場から不満の声が上がっている。
政府はこのため、健康保険証の廃止後も、最長1年は継続使用できる猶予期間を設ける方針。
さらに、マイナ保険証がなくても保険診療が受けられる証明書類を相次いで発行する。
保険証代わりとなる「資格確認書」
高齢者や障害者ら暗証番号の設定や管理に不安がある人を対象に暗証番号が不要な「顔認証マイナンバーカード」
マイナ保険証は、カードを見ても被保険者資格など保険証の情報は分からないため、新規に被保険者資格を取得したり、70歳以上で負担割合が変わったりした際のための「資格情報のお知らせ」
カードリーダーのトラブルでエラーになった場合などに無保険扱いで全額自費とならないようにするための「被保険者資格申立書」もある。
政府は不安を感じている人の声に丁寧に耳を傾け、廃止撤回を含めて再考すべきだ。