健康保険証の新規発行が停止される12月2日まで、残り4か月を切った。国は、この日時点で有効な健康保険証は1年後の2025年12月1日まで使用できるとしているが(それ以前に有効期限が切れる場合はその日まで)、以降は資格確認書の交付を受けない限り、マイナンバーカードで保険資格を確認することとなる。
利用者が少ない現状でも、顔認証がうまくいかない、ひもづけられている情報が古いなどのトラブルが医療機関で続出している
「とてもではないが、マイナ保険証の本格運用が混乱なしでできるとは思えない」と不安を吐露する。
特に問題と感じるのは、「オンライン資格確認」(マイナンバーカードのICチップや健康保険証の記号番号などを使い、患者の保険資格をオンラインで確認すること)の情報更新の遅さ。
「規則上は『事業主による届出から5日以内にデータ登録を行う』とされているはずが、当クリニックでも、転職にともない新しい健康保険証を交付された患者さんの保険資格をオンラインで照合しようとしたところ、『資格なし』と表示される状態が3か月ほど続いたことがありました。これは決してレアケースではなく、オンラインの情報が更新されるまでに1か月、2か月と時間がかかる場合がほとんどです。
今は辛うじて、患者さんが持ってきた新しい健康保険証に記載された内容を現場の判断で“最新情報”として扱い、オンライン資格確認で『資格なし』と表示されたのは登録作業が遅れているものと善意に解釈して運用しています。そして、患者さんには保険適用後の価格(3割負担等)で診療費を支払っていただき、オンライン資格確認等システムに正しい保険証のデータが登録されるまでの数か月間は医療機関の側でつじつまを合わせています。
しかし、マイナ保険証の場合は券面に保険情報が記載されておらず、この運用ができません
不慣れな作業で受付業務に負担が生じているのに、今後利用率が急激に伸びれば、その分トラブルも増えるでしょうし、患者さんの待ち時間が長くなる
患者さんに『10割負担でお願いします』と言うことは容易ではありませんし、もし患者さんに悪意があって実は無保険だったという場合、残り7割分の診療費の損失を医療機関は覚悟しなければなりません。
オンライン資格確認を義務化したのは国ですが、『被保険者資格申立書』の虚偽申告といったケースは想定されていないのです。
「保険証を残して!」 医療従事者が反対署名
福岡市のJR博多駅前広場では26日、医療従事者およそ30人が「保険証をのこして」と書かれたのぼりやプラカードを持って声を上げ、健康保険証の廃止に反対する署名を集めました。
「保険証をのこして」ネットワークふくおか 七里正昭 事務局長「障害をお持ちの方、認知症の方、ご高齢の方などマイナ保険証を取得できない方々がたくさんいらっしゃいますので、そういう方々を取り残さないで国民皆保険を守ってという思いで、今回保険証を残して宣伝行動いたしました」
- これな。
紙の保険証の廃止は国民皆保険制度をなくす準備だと思うよ。もうずっとアメリカや経団連から国民皆保険をなくして、民間の保険市場を作るように言われているからね。そうなるとアメリカのように日本でも医療破産者が続出する。必ずそうなる。 https://t.co/CO7pMdG1CE
— まりなちゃん (@t2PrW6hArJWQR5S) 2024年9月25日