マイナ保険証では"大損"する人が続出…廃止される健康保険証だけに記載された最重要情報で医療費は雲泥の差
健康保険証に記載されている患者の医療費負担を左右する「最重要情報」についてである。
その情報とは「保険者」だ。
保険者とは、健康保険事業の運営主体のことを指す。保険者は、加入者の職業などによって異なる。筆者のような自営業者が加入するのは「国民健康保険」で、住所のある自治体が保険者として健康保険証に記載されている。
現行の健康保険証を見ると、保険者が確認でき、その患者が入院や手術、治療を受けた場合の医療費を軽減させる公的制度の有無がわかる。
とくに、保険者が共済組合(公務員)や組合健保(大企業など)の場合、健康保険法で定められた保険給付(法定給付)に加え、任意で一定の上乗せ給付である「付加給付」を行っているところも少なくない。
付加給付があれば、自己負担限度額のハードルは、さらに低くなる。厚労省の指導では、付加給付の額は1人1カ月当たり2万5000円となっており、この額だとすると、自己負担限度額は2万5000円まで。どれだけ医療費がかかっても、保険診療なら月2万5000円の負担で済む、というオトクすぎる仕組みである。9万円近くの負担額がなんと3分の1以下の2万5000円でいいのだ。
ほとんどの人が「付加給付」の存在に気づいていない
筆者も薬物療法の費用が毎月15万円かかる乳がん患者・A子さんの相談を受けたことがある。A子さんは、医療費があまりに高額なので担当医に治療を続けられないと訴えたという。確認すると、付加給付があって、実質の自己負担額は月2万円で済むとわかり、A子さんは、治療を続けることになった。
なお、付加給付の還付金は、治療を受けた月の2~3カ月後に、別途口座に振り込まれる場合もあるが、給与と一緒に支払われる場合も多い。
A子さんも、すでに還付金が振り込まれていたはずなのだが、付加給付のことは気づいてなかった。「あれ? 今月なんか手取り多いなあ。残業したっけ?」くらいにしか感じていなかったそうある。それくらい「保険者」というのは医療機関にとっても患者や家族にとっても重要な情報なのだ。
ところが、これがマイナ保険証に切り替わると、これらの情報は一切わからなくなる。患者から直接確認する必要が生じてしまうのだ。
前掲のA子さんに限らず、筆者の経験上、病気になるまで付加給付の存在を自覚している人は、ほぼいない。
- 国民民主に投票した人は少し考えた方がいい。将来、「バカじゃないの?」と言われる可能性も高いので。
約4,000万人が加入する協会けんぽでも、マイナ保険証の利用登録解除の受け付けを始めました。
— 保団連(全国保険医団体連合会) (@hodanren) 2024年11月1日
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