「コロナ対策システムで50億円の血税をドブに」 韓国、中国にも完敗の日本は「デジタル・バカ」
2024年3月31日をもって、デジタル庁が発行した「ワクチンパスポート」=新型コロナワクチン接種証明書の専用アプリの運用が停止されました。
開発に時間がかかり過ぎ、その間に民間主導でいくつかの接種証明書アプリが出ました。そのひとつ「ワクパス」は、旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)や「かっぱ寿司」など約10社が採用を決め、約8万社が加盟する東京商工会議所が普及に協力した便利でおトクなアプリ。こうしたものの陰に、デジタル庁のそれはかすんでしまいました。
累計アプリダウンロード数は約1566万回(24年2月20日時点)でしたが、コロナワクチンの接種にしか使えないので、23年になってほとんどの国でワクチン証明書が不要になると、存在理由を失って運用停止へ。
デジタル庁初の大仕事としては、実に尻つぼみの結末になりました。
感染情報を取りまとめる「ハーシス(HER―SYS)」、感染者と接触した可能性を教えてくれる「ココア(COCOA)」、ワクチン接種業務を支援する「ブイシス(V―SYS)」「ワクチン接種記録システム(VRS)」、各病院の状況を把握する「ジーミス(G―MIS)」となんと五つも立ち上げ、かかった費用は合計で約400億円。 中でも感染予防の決め手と鳴り物入りで登場した「ココア」は前評判が高く、ダウンロード数は約4000万件に上ります。
ところが、アンドロイド端末では接触していたのに通知が届かないケースがあるなど致命的な不具合が発生。にもかかわらず4カ月も放置されていました。さらに、国がその理由を調べる過程で、運用を始めた時点で動作確認のテストを行っていなかったことが分かりました。実にお粗末な話です。
最終的には廃止されて、13億円の無駄遣いとなりました。
コロナで疲弊している医療現場の医者たちをさらに苦しめるという実害すら生み出したのが、先述の「ハーシス」でした。
患者1人の情報入力項目が120から130あり、入力だけで1人30分ほどかかる超大変な代物
「コロナ患者の診療が終わり、診た患者の記録をハーシスに打ち込み終えると、すでに夜が明けている。そこで眠る間も無くまた患者を診るという繰り返し。何度も死ぬかと思いました。まさに、“ハーシス地獄”です」
医師たちが入力しきれない情報をファックスなどで保健所に送ったため、保健所もパンク状態に。
現場から吸い上げた大量の情報がどう有効に活用できたのかは、いまだに不明なまま
「ハーシス」を立ち上げて医者を疲労困憊(こんぱい)させ、50億円もの血税をドブに捨てた。
しかも、誰も原因を究明しないし責任も取らない。
これが、今の政府による「デジタル化」の現状です。