安倍昭恵首相夫人が名誉校長を務める小学校に対し、国有地が格安で払い下げられた森友事件。メディアが取材合戦を繰り広げる中、NHKは報道姿勢が消極的で、安倍政権への忖度が取り沙汰されてきた。
このほど、NHKで森友事件を取材していた記者が、「週刊文春」に手記を寄せ、上層部の意向で、報道が縮小した経緯を明らかにした。
今回、手記を寄せたのは元NHK記者の相澤冬樹氏(56=現大阪日日新聞論説委員)だ。相澤氏はNHKの大阪報道部記者として、森友学園への国有地売却に近畿財務局の背任の疑いがあること、財務省が森友学園側に「口裏合わせ」を求めていたことなどをいち早く報じてきた。だが今年5月中旬、記者から考査部への異動を告げられ、8月末にNHKを退職した。
〈NHK大阪報道部の司法担当記者だった私は、発覚時から森友事件を追いかけ続けてきた。その間、感じてきたのは、事実をあるがままに報じようとしないNHKの姿勢だ〉(手記より)
手記では、安倍官邸中枢との太いパイプで知られる小池英夫報道局長からの圧力について言及している。
〈「私は聞いてない。なぜ出したんだ」
電話の向こうで激怒する声が響く。声の主は、全国のNHKの報道部門を束ねる小池英夫報道局長。電話を受けているのはNHK大阪放送局のA報道部長だ。
私はたまたまA部長のそばにいたため、電話の内容を知ることになった。「なぜ出したのか」と問われているのは、私が報じた森友事件の特ダネ。近畿財務局が森友学園に国有地を売却する前に、学園が支払える上限額を事前に聞き出していたというニュースだ〉
昨年7月26日夜に報じたこの特ダネは、小池氏の怒りを受け、意味合いが弱められ、翌7月27日朝の「おはよう日本」ではオーダー(放送順)も後ろに下げられたという。
- このデイリー新潮を読んで、以下のようなメールをNHKに送ったのだが、返事はない。
11月14日 [3036074_3036090]
週刊新潮4月19日掲載「「みなさまの声」より「官邸の声」 NHK報道局長の“忖度”放送」とあるのは、事実でしょうか。当該局長とは小池英夫なる人物のようですが、もし事実ならば、猛省を求めるともに、小池英夫氏の辞職を求めます。受信料を支払う国民の一人として意見を言う権利はありますよね。こんなにも腐りきったNHKに正直、受信料なんて払いたくありません。でも払います。払って意見を言わせていただきます。小池英夫氏に報道を語る資格はないのではないでしょうか。説明を求め、事実であるなら、辞職を求めます。
- もっとももっと追及し、報道すべし。受信料だけ取られて好き放題やられていいはずがない。
出た!!
— ジョンレモン (@horiris) December 12, 2018
〈NHK大阪報道部の司法担当記者だった私は、発覚時から森友事件を追いかけ続けてきた。その間、感じてきたのは、事実をあるがままに報じようとしないNHKの姿勢だ〉(手記より)
NHK森友スクープ記者が実名証言「特ダネへの圧力」(文春オンライン) https://t.co/znfjZrrncU
【メディア崩壊】相澤冬樹氏はNHK大阪報道部記者として、森友学園への国有地売却の近畿財務局の背任疑惑や、財務省による森友学園側への「口裏合わせ」要求などスクープ。相澤氏が、小池英夫報道局長から圧力と考査部へ異動の経緯を語る。受信料をとる公共放送と言えるのか。https://t.co/gtF2z8bbbq
— 金子勝 (@masaru_kaneko) December 12, 2018