- 政府広報として腑抜けのNHKであるが、Eテレで放送中のニュースで英会話は、時おり、まるで監視の目をすり抜けるかのように、総合テレビの主だったニュース番組が避けて通るものをしれっとやったりする。昨年12月21日には「ノーベル平和賞授賞式で被爆者が演説」と題し、サーロー節子さんの演説を原文のまま、放送した。
- 少し前には"The Prime Minister of Japan is going to be purchasing massive amounts of military equipment. It's a lot of jobs for us and a lot of safety for Japan. なんていう文章を「教材」としてしれっと放送している。総合テレビの岩田明子記者あたりだったら、大好きな安倍様に顔向けできず、「アベベベベベぇ」と叫びながら、原稿を丸めてくずかごに放りこんでしまうだろう。
- ところで、先日はMe Too についてのニュースも紹介……したのはいいのだけれど、最後の岡部徹氏(元解説員)の物言いには、正直、どうかと思った。彼は、
「権力を持った人のセクハラが公然の秘密から犯罪捜査の対象になった、というのは非常に大きな変化だと思うんですよね。ただ私、この運動はですね、そういった犯罪行為の抑止力になれば、それで十分だと思うんですよ。どうしてかっていいますと、男女の間のことっていうのはですね、これは基本的には個人と個人の感性の世界の問題ですから、嫌なヤツに言い寄られたらね、SNSを使って撃退しようというのでは、味もそっけもない世の中になってしまうんじゃないかと思うんですが」
- と述べたのだが、大きな問題を抱える日本としては、ずいぶんお気楽な物言いだなと感じた。実際のところ日本では、権力を持った人のセクハラが公然の秘密から犯罪捜査の対象になってすらいない。逆にもみ消される始末だ。NHKが「無視する」というサポートで、Me Too運動の広がりを妨げようとしている中、岡部氏のコメントはいったいどこを向いての発言なのか、つい勘ぐってしまいたくなる。
- このコメントを受け、鳥飼先生は、「それはとてもフランス的な考えだ」とコメント。そして「そのフランスでさえ、セクハラには厳正に取り組もうという機運が盛り上がっているんです」と答えた。うがった見方かもしれないが、岡部氏の物言いにチクリとやり返したようにも取れる。
- 岡部さん、好きだったんだけどなぁ。みんな、腐っているのかな。