Muho’s diary

小説などを書いている大倉崇裕のオタク日記です。

小説などを書いている大倉崇裕のオタク日記です……が、最近は吠えてばかりです。見苦しくて申し訳ありません。でも、いま日本を支配している政治家とその一派の方が遙かに見苦しいでしょう? ちなみに、普通の日常はこちらです。https://muho2.hatenadiary.jp

一丸となって子供を育てにくくする国 でもかすかな希望はあるはず

 

 

www.tokyo-np.co.jp

無償化より待機児童対策を 「保育考える親の会」政府に意見書提出

 乳幼児の保護者らでつくる市民グループ「保育園を考える親の会」(東京都)は五日、政府が打ち出している三~五歳の幼児教育・保育の無償化は待機児童の増加や保育の質の低下につながる恐れがあるとして、待機児童解消を優先するよう求める意見書を厚生労働省内閣府に提出した。

 会は首都圏の約四百人で組織。メンバーらは意見書提出後、厚労省で記者会見し、普光院(ふこういん)亜紀代表は無償化すれば新たな保育ニーズを呼び起こし、待機児童を増やす可能性があると指摘。現在でも、親たちが妊娠中から保育園を探したり、枠を確保するため育児休暇を切り上げて仕事に復帰したりしていると訴え「保育の量と質の確保に投資してほしい」と話した。

 認可保育園などの保育料は、所得に応じた応能負担となっていることを踏まえ「貧困など不利な立場にいる子どもも教育を受けられるようにするという(無償化の)狙いは制度的に実現している」とも説明。「求められているのは、必要とする子どもに認可保育園などを行き渡らせ、保育の質を確保することだ」と話した。

 

 

  •  日本の極端な例だけを挙げているように思えなくもないけれど、そここに、ドキリとさせられる日本の実情が記されている。日本の価値観からいったん離れ、考えてみる必要はある。

www.facebook.com

 

「シェアを希望します」子どもたちこそが僕たちの未来。一人でも多くの皆さんに、読んでいただきたいです(ご本人の了解を得て転載しています)。

出口様

初めてメールさせていただきます。
〇〇と申します。〇歳、主婦です。
先日ご著書「世界一子どもを育てやすい国にしよう」を読ませていただきました。
ここ1年、妊娠出産育児について考えることが多く、恥ずかしながらようやくこの本に辿り着きました。

私は現在、7歳、5歳、2歳の女の子の子育てをしています。
主人はフランス人で、上の二人の娘は東京〇〇市で、三女はフランスで出産しました。
主人の仕事の都合でフランスに来て、もうすぐ5年になります。

どうして日本の出産育児に疑問を持ち始めたかというと、
こちらに来て、子育てを5年続けるうちに、
「ああ、フランスに来てよかった。日本になんか帰りたくもない」と思ったからです。
これは私がこちらで出会った日本人のお母さんたち(長期滞在か永住者)皆が口を揃えて言っています。> 最初は思っていただけですが、ある日、「こんな考え方を持ってしまうなんて、日本は大丈夫なのか。」と
急に怖くなりました。
決定打は、夏に日本に帰国した時に、近所のお店が潰れて、またコンビニができたのを見た時です。
それまで社会の問題として子育てを考えたことは恥ずかしながらなかったのですが、
箱根近くの田舎の町で、すでに徒歩10分圏内に3件のコンビニがあるのに、またコンビニができたのを見て、
「一件ぐらい保育園にしろ!」と心の叫びが吹き出しました。

フランス滞在初期は、フランス人の不真面目で適当で怒りっぽい性格にケチをつけては「やっぱり日本人って真面目よね」
などと思っていましたが、フランスに慣れ、フランス人を知れば知るほど、
「子どもが日本語話せなくたってこのままフランスで生活させたい」と心底思うのです。

〇歳で長女を出産したので、遅いスタートでしたが、40歳で三女を産もうと思ったのもフランスにいたからでした。
「フランスだと産める気がする、産みたくなる、なんとかなる気がする」
こんな感想を私も知り合いのお母さんたちも持っています。皆、ためらうことなく、二人目、三人目を産んでいます。

毎年夏休みに日本に帰国していますが、その度に思いはますます強くなる一方です。
帰国するたびに、小さな子を連れている母として、不便さ、息苦しさ、差別感を痛感し、最後には虚無感にさえなります。
この思いをどこに向けたらいいのか、なんとかならないのか、と一人の主婦が思った時に、御著書に出会いました。
子どもを産み、子育てをする、こんな動物的な自然なことが、社会によって遮られるなんておかしいと思っている人が
一体どれだけいるのか、初めてそういう視点を持ちました。

フランス人の、なるべく楽をする、無駄なことはしない、自分の役割だけ果たす、我慢しない、ストレートに感情を出す、怒る怒鳴る、こんな欠点とも言われる性格が、社会の子育て事情にいい影響を与えていると感じます。
私はこちらでまだ仕事をしていないのですが、保育園の他に、ガードリーという託児所があり、働いてない主婦でも週22時間を限度に預けられます。これにどれだけ救われたことでしょう。
手伝ってくれる祖父母もなく、不慣れな土地で言葉もわからず、疲労困憊でしたが、午前に3時間だけでも預かってもらえる、それだけでも私の生活を信じられないほど変えてくれるのです。
今年は私の町のガードリーが廃止されてしまったのですが、それでも保育園で週2日を限度に預かってくれます。
しかも今年は空きがなかったので、隣町に申し込みましたが、そこのガードリーで週2日三女を預かってもらっています。
その他にも、若い世代(15歳〜25歳)が、夏休みなど時間ができると、幼稚園や保育園、スーパーなどにベビーシッターの張り紙をしています。あまりに疲れていた時に、2度ほど頼んだことがありましたが、18歳の高校生でしたが、
食事もトイレも遊びも、全く臆することなくしてくれて、本当に助かりました。
その他にも近所で時間のある人(主に50代〜60代の女性)がベビーシッターとして市役所に登録してあります。
私はパリ郊外の小さな町に住んでいるので、大体の人は顔見知りで、安心して預けることができました。
このおかげで、3人目を産みたいと思ったのです。5歳若ければ、あと2人ぐらいは産みたいところです。
周りを見ても、3人の子どものお母さんは普通で、4人、5人もよく見かけます。娘が通っている幼稚園だけでも、7人、8人の子どものお母さんがいます。そして皆、生き生きとして、充実した美しい女性なのです。
散歩をすれば、皆子どもに優しく、妊婦、赤ちゃんずれは間違いなく優先されます。そしてそれは特別なことではなく
普通のことなのです。

夏に帰国した時に、電車を降りたとき、エレベーターに走っていく人々に驚きました。皆いわゆる普通の人でした。
ベビーカーを持って待っていても当然譲られることはなく、3回エレベーターを待ちました。
こちらではありえません。譲らないことを恥ずかしいとさえ思うでしょう。
子どもの足がちょっと触れただけで、10分以上もスーツを払っていたサラリーマンもいました。
パン屋に行けば、「お子様は抱っこしないでください」との張り紙。
日本航空を利用していますが、飛行機に乗った瞬間から「ああ日本だ」とため息が出ます。
子どもが泣いた時に、客室乗務員が周りの乗客に「申し訳ありません」と言っていました。二度と帰りたくないと思う瞬間です。
パリ近郊にあるインターナショナルスクールに日本語セクションがあったので、一度見学に行きました。
フランスなのに、昭和の社会科の先生のような人が出てきて、「物差しは竹を使ってください」と。
そしてこんなところまできてPTAが盛んで、上下関係がうるさく、うんざりしている、と受付の若いお母さんが教えてくれました。学園祭では15カ国のセクションごとにイベントをしますが、朝7時から集まって焼きそばの準備をしているのは
日本語セクションぐらいで、あとは10時ぐらいにのんびり準備を始めています。

こんなことをいうと、「それが日本人のいいところ」と返事が来ますが、子育ての邪魔でしかありません。
保育園の騒音問題、マタニティーマーク論争、オムツ持ち帰りなど、こちらにいるとありえないニュースを見るたびに、
なんということもない一人の母として、涙が出るぐらい悲しくなるのです。
子どもを産むか産まないか、産まない選択に価値を見出す風潮もありますが、
普通に生活している女性まで、そんな話に興味を持ってもらいたくないのです。
子どもを産み育てるのは普通のこと、産みたくない人はそれでいいですが、産みたい人までその「産みたい」と思う
本能を鈍らせるような社会が悲しくて仕方ありません。
お母さんたちにも、公園デビューや除菌ジェル、マザーズバッグやベビーカーのメーカー、ママ友の関係など、そんなものはどうでもいいと叫びたい気持ちです。

出口様にとってはとっくにご存知のことで、私はデータを一切持っていないので、感情論ばかりになってしまいましたが、
この思いをどこにどうぶつけて形にしていけるか考えて行きたいと思っています。

日本に帰るたびに思います。皆疲れすぎています。余裕が全くありません。素手で握ったおにぎりが食べられないように
なってしまった日本人は、人間として衰退しているとしか思えません。そんな人に子育てをして、支えることもできる
はずがないと思います。

初めてこの思いを外に出しました。今まで間違っていると思っていました。
こんな長いメールを読んでくださり、本当にありがとうございます。
出産子育ては本当に素晴らしいものです。一人でも多くの人に、その感覚を取り戻してもらいたいと思います。