- なかなかに偏った、ホントかよって感じの内容だが、読んでいる分には気持ちがいい。
- 別に頭のおかしな団体とつるんでいようが、国民を鼻で笑って我が儘放題に振る舞おうが、それなりの成果をだしてくれれば、多少は聞く耳も持てる。でも、これは私が大いに不勉強なのかもしれないが、今の政権が経済、外交を含め、何か成果らしいものをだしことがあるのだろうか。私には記憶がない。実のところロシアと北方領土も、北朝鮮と拉致も、韓国と慰安婦問題も、中国と尖閣諸島も、沖縄と米軍の問題も、何も前と変わっていないように見える。一朝一夕で変わらないことは承知しているが、それならば、それが現実として、粛々と日本のために努力していけばいい。今の首相は、何一つ、独力では変えられないくせに、口だけは偉そうに「世界の中心で輝く」とか言って、挙げ句、憲法改正の夢ばかり見ている。店じまい、大いに賛成。隠居して陶芸でも始める頃合いだと思う。
民進党の山尾スキャンダルで「追い風が吹いた」(自民党幹部)のは、安倍晋三首相だ。
しかし、9月7日のロシア・ウラジオストクでのプーチン大統領との3時間20分に及んだ首脳会談は「実質的な意味はなかった」(外務省幹部)と散々な結果に終わった。
安倍首相は暴発を繰り返す北朝鮮に対して制裁圧力を強めるよう働きかけたが、プーチン氏は「外交的解決しかない」と繰り返すのみで相手にしなかった。
悲願の北方領土返還交渉でも海産物の養殖など共同経済活動について5項目を優先実施することで合意したのみ。
法的立場についてはロシア側の主権を譲らないプーチン氏になすすべはなかった。ロシア政治に関し国内第一人者の北海道大学名誉教授、木村汎氏は極めて手厳しい。
「事実上の門前払いの予想どおりの結果。安倍首相はプーチン氏が誰ひとり信頼しない、自分以外は全て敵という人生観を持ち、その時々の状況に便宜的対応をする二枚舌を使う並外れた天才であることをいまだにわかっていない。現状では領土を一島たりとも返す意思はない」
そもそも「地球儀を俯瞰する外交」を謳う安倍外交だが、国際医療福祉大学教授(政治心理学)の川上和久氏はこう指摘する。
「中国へのけん制のために、プーチン、トランプという大国のリーダーと密な関係を築こうとしているが、一ファンを公言して、AKB48の握手会に率先して行く趣がある。単なる強いリーダー好き」
また、模索した北朝鮮電撃訪問は断念した。
「その代わり、近々の電撃訪中を画策している。そのための布石を日中国交正常化45周年の行事にからめ、二階俊博幹事長にも動いてもらってます。本人は『媚中外交に取られようが、保守の俺だからこそできる。総理はリアリストに徹するべきだ』と周囲に吠えているようです」(政府関係者)「北朝鮮問題のハブとなるべく日中首脳会談実現で主導権を握りたいのでしょうが、うまく立ち回るのは難しい。民進がオウンゴール献上だが、臨時国会でも引き続き加計問題を追及される。一部、与党内で待望論がある年内解散も北有事対応で選挙なんてやっている場合ではない」
政府・与党内からも突き放す声が相次ぐ。
「国民に嘘つきイメージが刷り込まれて選挙は戦えない。安倍首相以外だったら誰でもいい」(ベテラン議員)
官邸もたそがれている。
安倍首相が最も信頼する今井尚哉筆頭秘書官が8月中旬、「安倍政権は来年9月で終わり。次は石破(茂元幹事長)90%、岸田(文雄政調会長)10%だろう」と周囲に漏らした。
さらに今井氏は「おごる今の総理の姿勢だったら、すぐに辞めてやる」と机をたたき激怒、首相が頭を下げ謝ったエピソードまで明かしたとされる。
さらには安倍首相が渋っているとされる消費増税を巡り、麻生太郎財務相、石破、岸田両氏、野田聖子総務相らが足並みをそろえて必要性を訴え、「財務省の意を受けた反主流派議員の反撃はこれまで以上に激化し、政局の大きな火種になることは確実です」(同)。
政治評論家、小林吉弥氏はこう言う。
「官邸、党内に隙間風が吹きまくっている。長期政権になると緩むのはしょうがないが、首相を支える空気は弱く、現状では3選は難しい」と厳しい見方を示す。
執念を燃やしていたはずの改憲も既に「スケジュールありきでない」と方針転換しており、もはや安倍首相自身が「店仕舞いの秋」に入ったようだ。(本誌・村上新太郎)
※週刊朝日 2017年9月22日号