- 世論調査 日本人と憲法の結果が興味深い。いろいろな意味で票が割れていて、これ、一部の数字だけ自分に都合良く取りだせば、都合の良い結論が導きだせるようにも思う。
- なので、私も都合の良いところだけ抜きだしてまとめてみる。
- まずは「憲法改正は必要か?」 という質問。必要は43%、必要ないは34%。おお! 必要と感じている人が多いではないか! とちょっと驚く。前回2002年の調査より必要は15%減、必要ないは11%アップしてはいるが、やはり「必要」の方が多いわけだ。実際に国民投票に持ちこまれ、無尽蔵に「改憲は必要」CMをうたれれば、改正が行われる可能性は充分にある。
- では、首相をはじめとする運動団体の悲願とされる「憲法9条の改正は必要か」という質問については、必要が25%、必要ないが57%。「自衛隊は憲法で認められるか」についても、認められる62%、認められない11%。
- 個人的に一番すごいなと思ったのは、「憲法が新たに盛り込むべき権利」。1位が「個人情報やプライバシーが守られる権利」、2位が「良好な環境で生活する権利」、3位が「子どもの権利」……とある。何がすごいって、どれもこれも、あの運動団体が国民から奪い取ろうとしているものばかりじゃないか。自民党の改憲案なんて、「基本的人権」は削除だぜ。
- 調査方法に異論はないけれど、ものすごく歪な結果だなぁ。
- 今の政権とその背後にいる運動団体は、改憲という自分たちだけの悲願から、国民の目をそらそうと必死だ。それはつまり、きちんと説明したら賛成してもらえるはずのないことを、判っているからだ。だまし討ちのようにして改憲を強行しようとしている。その証拠は「改憲の議論はどの程度深まっているか」という質問の答えに集約されている。あまり深まっていない、まったく深まっていない、合わせて67%だ。