小説などを書いている大倉崇裕のオタク日記です……が、最近は吠えてばかりです。見苦しくて申し訳ありません。でも、いま日本を支配している政治家とその一派の方が遙かに見苦しいでしょう?

裁量は最低

小説家というのも、一種の裁量労働だろう。〆切があって、それまでに所定の枚数の作品を書かねばならない。見方を変えれば、〆切までに作品が仕上がれば、それまでの時間をどう使おうが自由なわけだ。作品によってかかる時間も違う。A作品100枚は10日で書けたがB作品50枚には20日かかったーーそんなこともある。A作品執筆中は、一日の労働時間は二時間ほどで、あとはウキウキとプラモを作っていた。しかし、B作品執筆中は資料調べや進まぬ筆に苦しみ、一日10時間机に向かっていた。そんなこんなで完成したに作品だが、原稿料に変わりはない。いいことも悪いこともひっくるめて、それが小説家という仕事なのだろうと納得している。

 

思うに裁量労働制のイメージって、上記した部分で言えば「A作品執筆中は、一日の労働時間は二時間ほどで、あとはウキウキとプラモを作っていた」という部分ではなかろうか。この部分だけを考えて、それを様々な仕事に当てはめるのであれば、そりゃあ、「裁量労働制にしたら早く帰れる」「子育てもできる」つてことになるだろう。

 

でも、「しかし、B作品執筆中は資料調べや進まぬ筆に苦しみ、一日10時間机に向かっていた」という時もある。そして「そんなこんなで完成したに作品だが、原稿料に変わりはない」という部分もある。光と陰があるのだ。

 

もちろん、小説家なんて気の狂った人間がやる商売だし、他の、より複雑でデリケートな仕事と単純に比較できないことは判っている。でも、「裁量労働」という言葉で甘い夢を見させられている人はきっといるはずだ。政府はそこにつけこんでいる。許してはならない。

 

国会は政府側のバカな対応のせいで紛糾しているようだ。でも、一年前を思い出して欲しい。金田という当代きってのバカ大臣がバカみたいな答弁をしても、数頼みの強行な運営を乱発しても、結局、共謀罪は成立し、その後の選挙で安倍自民は圧勝した。今更、何を言っても無駄である。言うなら、選挙のときしっかりとした判断を下すべきだったのだ。選挙って大事。

 

 

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そもそも裁量労働制って?

 

 裁量労働制は、現行法にもあります

 現行法では、労働基準法38条の3以下に定めがあります。

(略)

 裁量労働制には、専門業務型企画業務型の2つあります。

 専門業務型の業務とは、厚労省が定めています。ここに書いてあります。

 企画業務型の業務はちょっとわかりにくいのですが、企業の中枢で、企画立案などの業務を自律的に行っている労働者が該当するとされています。

 どちらも、「業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要がある」(労基法38条の3)、「業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある」(労基法38条の4)など、業務を遂行するのに裁量が必要な業務だ、という点がポイントとなります。

 それゆえに、裁量労働制と呼ばれるのです。

 さて、ここでハタと気づきますね。

 裁量労働制って、全部、裁量があるんじゃないのか・・・と。

 そうです。

 裁量労働制は、あくまでも、業務の進め方に労働者に裁量がある制度、ということになります。

 ここがミソです。

業務量に裁量はない

 労働者は、使用者から下る業務命令を遂行することで労務を提供します。

 すなわち、

  1. 使用者から「これをやれ」と命令がなされる
  2. 労働者はそれを遂行する
  3. 労働者は仕事の結果を使用者へ渡す

 これが労働者のお仕事サイクルです。

 このうち、2.だけに裁量がある制度ということです。

 そうです。1.には労働者に裁量はないのです。

 これは、要するに、業務量については労働者には裁量がないということを意味します。

 

 したがって、次のような現象が起きます。

('◇')ゞ「仕事終わったんで、定時前だけど帰ります!」

( ゜Д゜)「もう終わったの?じゃあ、次はこれやって」

( ;∀;)「え?でも・・・裁量労働なんで・・・」

( ゜Д゜)「あ、そう。業務命令を断るんだ。へー。」

(*_*)「やりますよ・・・」

 ほかにも、

( ゜Д゜)「おまえたちは、裁量労働制だ。好きなときに帰れるぞ。」

(*´▽`*)「わーい。」

( ゜Д゜)「ただし、俺が与えた仕事を全部終わらせてからだがな」

( ;∀;)「えーん。」

 とか、

(-"-)「仕事が多くて終わらないッス」

( ゜Д゜)「仕事の進め方は自由でいいぞ」

(-"-)「いや、仕事が多すぎるんです。終わらないんです」

( ゜Д゜)「でも、仕事の進め方は自由だぞ。」

(-"-)「・・・・(怒)」

 ということになります。

定額働かせ放題

 で、どれだけ長く働いても、あらかじめ、みなすとした時間だけ働いたとしかされません。

 たとえば、1か月10時間の残業があるとみなすとした場合は、100時間残業しても10時間しか残業していないとみなされます。

 そのため、給料もみなされた労働時間分しか払われません。

 使用者にとっては、ラッキーです。

 仕事を目いっぱい与えて、あとはどうぞご自由にとすれば、いいのです。

 どんなに長く働いても払う給料は一定です。

 これが裁量労働制の実際です。

 それゆえに、定額働かせ放題とネーミングしたわけです。

裁量労働制についての幻想

 ところで、よく、裁量労働制だと早く帰れるとか、病院に行けるとか、子育て時間ができるとか、そう言う人がいます。

 裁量労働制があったから早く帰れた・・・・と。

 果たして、そうでしょうか?

 実は、意外と思うかもしれませんが、裁量労働制と早く帰れることは無関係です。

 たとえば、9時始業で、18時が終業時刻(休憩1時間)の会社で働くある労働者がいたとします。

 その人が、15時に帰っても、使用者が18時まで働いたとみなすことは、裁量労働制に関係なくできます

 これはなんにも制限されていません。

 しかし、21時まで働いた労働者の終業時刻を18時とみなすことは、裁量労働制でないとできません

 裁量労働制でない場合は、21時までの残業代を払う義務が使用者にあるのですが、裁量労働制だとこの義務を免れます。

 これぞ、裁量労働制の真の意味なのです

 なので、残業代を払わないで働かせられる裁量労働制の方が、一般的な時間管理のある労働者よりも長く働く傾向にあることは、ある意味、当然なのです。

撤回しかない

 この裁量労働制の拡大をしようとしているのが、「働き方改革」です。

 これが、本当に「働き方改革」なのでしょうか?

 喜ぶのは労働者ではなく、ブラック企業ではないでしょうか?

 裁量労働制は速やかに撤回すべきだと思います。

 あと高プロも一緒に撤回すべきだと思います。

 

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〇「定額働かせ放題」の実例

 裁量労働制とは、実際の労働時間がどれだけなのかに関係なく、労働者と使用者の間の協定で定めた時間=「みなし時間」だけ働いたとみなし、労働賃金を支払うという制度だ。仕事の段取りや時間配分を自分の判断で決められる働き手が対象となり、SEや、デザイナー、メディア関係者などの19業務が対象となる「専門業務型」と、企業活動の企画や立案、調査業務などを行う「企画業務型」の2種類に大別される。

 裁量労働制は、一見、働く人が時間に縛られず、自分のペースで仕事ができるように見えるが、実際の案件では、労働者に選択の余地はなく、ひたすら働かせ続けるということが起きている。中でも最近、人々の注目を集めたのは、ゲーム制作等を手がけるIT企業サイバードでの労働争議だ。裁量労働制での労働問題の相談に応じている「裁量労働制ユニオン」の坂倉昇平氏が解説する。

 「私達が相談を受けたAさんは、2016年にサイバードに入社、専門業務型裁量労働制を適用され、1日10時間8分をみなし労働とし、ゲーム用ソフトウェアの創作を業務とすることになりました。ところが、『ゲームの体験イベントの開催』、『ゲーム宣伝用のサイトおよびSNS運用』など、裁量労働制が禁じられている仕事もさせられたりするなどして、時間外労働が100時間を超える月もあるなど、長時間労働を強いられました。しかし、どんなに働いても毎月の給料は変わらず、正に『定額働かせ放題』という状況に陥りました

 

「しかも、裁量労働制なのに、長時間労働適応障害になったAさんが就業時間から大きく外れた出勤をしていたことを理由として、サイバードはAさんを退職勧奨で辞めさせています。同社では、就業時間が10~19時とされていましたが、裁量労働制の対象者については、雇用契約上は『基本とし労働者の決定に委ねる』とされていたにもかかわらずです」(同)。

 Aさんの相談を受けた、坂倉氏ら裁量労働制ユニオンは、渋谷労働基準監督署に申告。同署はサイバード側にも調査を行ったうえで、Aさんの労働実態が、本来の業務以外の仕事もさせられるなど、裁量労働制を適用できないものと判断。サイバードに対して2017年8月、行政指導を行った。これに伴い、裁量労働制を免罪符とした月70時間以上の残業や、残業代未払いも労働基準法違反として是正勧告された。

〇蔓延する裁量労働制の悪用

 坂倉氏は「裁量労働制の対象業務の規定自体が曖昧でザルであるため、ITやデザイン、ゲーム開発などの業界を中心に、裁量労働制が悪用される例が後を絶ちません」と言う。「しかも、労働相談を受ける側にも、裁量労働制について理解している人が少なく、Aさんのケースでも、サイバード側の弁護士、Aさんが最初に相談した法テラスの弁護士、東京労働局の斡旋担当の弁護士ですら、Aさんの業務に裁量労働制が適用されることの問題点に気が付かなかったのです」(坂倉氏)。

 Aさんの事例では、上司の指示で徹夜での業務を余儀なくされたりすることもあった。坂倉氏は裁量労働制なので、本来、上司が指示できること自体がおかしいのですが、現実には働き手が裁量できない、というケースが多いのです」と指摘する。

裁量労働制で過労死認定が困難に!

 裁量労働制の恐ろしさは他にもある。「あらかじめ定めたみなし時間以上の労働は、労働とみなされず、企業側がタイムカード等、労働時間の記録すらしてないことが多々あります。つまり、膨大な量の仕事を押し付けられ、長時間労働の結果、労働者が過労死しても、それを立証することが非常に難しくなるということです」(坂倉氏)。厚労省の統計によれば、一部の企業で既に行われている裁量労働制で、2012年から2015年の間に13人の過労死が労災として認定されているものの、それですら、氷山の一角であるかもしれないということだ。

 安倍政権は「働き方改革」の一環として、裁量労働制の適用範囲を拡大しようとしているが、これまでの事例を観ても、むしろブラックな労働環境がさらにはびこることになりかねない。国会での審理に大いに注目する必要があるだろう。

 

 

裁量労働制 政府苦しい強弁 「抱き合わせ」法案、盾に(毎日新聞2.22)

 裁量労働を巡る異常なデータ問題を巡り、野党は22日の衆院予算委員会で追及を強めた。安倍政権は「データは間違っていたが、働き方改革関連法案に影響はない」と強弁。法案を撤回すれば、残業時間の上限規制なども実現できなくなると繰り返した。法案は残業規制や裁量労働制の拡大を一体として「抱き合わせ」にしており、長時間労働の改善を訴える野党の主張を盾にした形だ。しかし今後さらに異常なデータの数が増える恐れもあり、問題が収束する気配はない。

 

 「(厚生労働省労働政策審議会で)時間外労働の上限を規制する結論が出ている。それをすべきでないということか」。加藤勝信厚労相は22日午前の予算委で、法案を白紙に戻すよう求めた立憲民主党の岡本章子氏に対し、やや気色ばんで反論した。

 これは、法案が裁量労働制の拡大だけでなく、長時間労働の是正措置なども含むことから、議論のやり直しはそれも否定することになるという論法だ。安倍晋三首相は午後の予算委で、「(法案を)厚労相としてしっかり準備してほしい」と加藤氏を擁護した。

 しかし厚労省は、裁量労働制の拡大や高度プロフェッショナル制度などの施行日を1年遅らせる案を検討している。このため野党には「それなら最初から残業規制の法案にすればいい」という声も強い。

 さらに希望の党津村啓介氏は予算委で「データに247件の疑義がある」との見方を示した。加藤氏は法案内容が否定される展開を懸念し、この日もデータそのものは撤回しなかったが、データの信ぴょう性への疑問はむしろ拡大の一途をたどっている。

 また立憲の逢坂誠二氏は問題になった異常なデータが労政審の議論に提出された一方で、「1カ月の労働時間は裁量労働の方が一般労働より長い」という調査結果は提出されていなかったと指摘。「これを出してはまずい、という意図が働いたと思わざるを得ない」と政府を追及した。加藤氏は「当時のことは承知していないが、既に公表されていた調査結果なので、労政審の専門家の皆さんは(提出しなくても)知っていたと思う」と苦しい答弁に終始した。