- 子供を持つということに関して、もう国を当てにするのは止める頃合いなのかもしれない。授乳スペースが増えて、ベビーカーの置き場が増えて、液体ミルクが一般化すれば、子育ての気運が盛り上がると本気で思っているのだろうか。
- 子供を預けることもできず、お金もなくてヘトヘトで、買い物も連れて行かざるをえず、泣き叫ぶ子供を抱っこしながら、商店街で呆然としている先に、拡充された授乳スペースがドーンとあって、いったいどうするというのか。
- 保育園を増やし、保育士の待遇を改善するーーとかは検討されないのでしょうか。
- 子育てや貧困が自己責任だと言うのなら、自己責任において生活できる地盤を作るのが国ではないのか。
- 「いくら安倍首相がお坊ちゃん育ちで子どもがいないからといって、子どもの貧困問題にここまで無関心でいられることが信じられません」はよくぞ言ったという感じ。
内閣府は5日、子育てに関わる施策を有識者が幅広く議論する「少子化克服戦略会議」を設置すると発表した。今月下旬に初会合を開く。6月をめどに提言をまとめ、経済財政運営の指針「骨太方針」に反映させる。
戦略会議では、国や自治体だけでなく企業やNPOなどを巻き込み、社会全体で子育ての機運を盛り上げる取り組みについて検討。具体的には(1)商店街の空き店舗を活用した授乳スペースの整備(2)鉄道など公共交通機関でのベビーカー置き場の拡充(3)液体ミルクや電動自動車といった子育てを助ける商品の開発の促進--などを議論する。
座長は松田茂樹中京大教授。このほか、地域特有の少子化問題に詳しい北海道総合研究調査会の五十嵐智嘉子理事長、女性役員の積極的な登用で知られるカルビー人事総務本部の新谷英子さん、産経新聞の河合雅司論説委員らを選んだ。
厚労省が10日、生活保護世帯が過去最多を更新したと発表した。これで6カ月連続の増加だ。母子家庭の生活保護世帯は9万2655世帯に上り、子どもの貧困は社会問題になっている。
昨年末に訪日したユニセフのレーク事務局長が、「日本のおよそ16%の子どもが深刻な貧困状態にある」と懸念を示したほどで、日本の子どもの貧困率はOECD加盟国の中でもトップクラスに高い。特に母子家庭の貧困は深刻で、厚労省の昨年の調査では、ひとり親家庭の相対的貧困率は50・8%と過半数に及んでいる。
ところが、安倍首相は少子化を「国難」と言って解散・総選挙を打っておきながら、子どもの貧困対策をやる気はないようだ。来年度予算案を見ても、貧困対策を進める自治体への「地域子供の未来応援交付金」として、1億5000万円を計上しているだけ。それどころか、生活保護の「母子加算」を減額し、ひとり親家庭をますます困窮に追いやろうとしている。
「今のところ、子どもの貧困対策は、15年に創設した『子供の未来応援基金』がメインになっています。すでに9億円以上の寄付が寄せられ、NPOによる学習支援や『子ども食堂』などに活用している。ほかにも古本や子ども服のリサイクルを活用した寄付などの仕組みも始まりました」(内閣府関係者)
要するに、貧困対策は民間に丸投げということ。政府として本腰を入れる気はない。しかし、寄付は安定財源にならないし、9億円が集まったのだって、ひとりで4億円も寄付した篤志家がいたからだ。基金で貧困対策を賄っていくのは無理がある。
「子どもは国家の宝です。首相自身、『消費税の使い道を見直し、子育て世代、子どもたちに大胆に投資する』と宣言して総選挙に勝ったのだし、子どもの貧困対策は社会保障として国の予算でしっかりやるべきです。民間の善意に頼るような話ではない。何百億円もするミサイルや戦闘機を買うカネがあるのなら、なぜその1割でも貧困対策に振り向けられないのか。海外でバラまく前に、まず自国で貧困にあえいでいる子どもたちに目を向けてほしい。いくら安倍首相がお坊ちゃん育ちで子どもがいないからといって、子どもの貧困問題にここまで無関心でいられることが信じられません。本当に困っている人を救うのが政治のはずです」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
安倍政権で経済格差は拡大の一途。子どもの貧困対策は喫緊の課題だ。子どもを見捨てる国に未来はない。
日本を訪れているユニセフのレーク事務局長が13日、都内で「世界子ども白書」を発表した後、NHKの取材に応じた。日本の子どもの貧困率が先進国でも高い水準にあることに懸念を示し、格差の解消に向けて教育などの機会の平等を確保すべきだという考えを明らかにした。NHKニュースが報じた。
レーク事務局長は「日本のおよそ16%の子どもが深刻な貧困状態にある」「豊かな社会において子どもが飢えや格差に苦しむことがあってはならない」と述べた。