Muho’s diary

小説などを書いている大倉崇裕のオタク日記です。

小説などを書いている大倉崇裕のオタク日記です……が、最近は吠えてばかりです。見苦しくて申し訳ありません。でも、いま日本を支配している政治家とその一派の方が遙かに見苦しいでしょう? ちなみに、普通の日常はこちらです。https://muho2.hatenadiary.jp

教師でも裁判官でも、赤ちゃんを抱っこして仕事をすればいいのではないですか?

 

 

  • で、これを言っているのが、元議会議員だというので、恐れ入る。そして、これについたリプライにも恐れ入る。なぜこの問題がこうも海外に発信されるのか、判っていないし、知ろうともしない。一つだけはっきりしているのは、昨日、菅野氏が言ったように、「おっさんの主張」が垂れ流されているだけだ。
  • 究極的に遅れているな、と思うのは結局のところ、「赤ちゃんを職場に連れてくるのが是か非か」「これが普通の会社だったらどうか」「なぜ預けない」とか、子供の喧嘩みたいな応酬になっているところ。
  • 男だろうが、女だろうが、議会だろうが、会社だろうが、そんなことは関係ない。「子供がいても働きたい」と思えば働ける、「子供が生まれたら働かず子供と一緒の時間を優先したい」と思えばそれで暮らしていける、「子供を職場に連れていきたい」と思えば連れて行ける、そういう社会を世界は既に目指しているのではないか。不寛容な国だなぁとつくづく思う。性別や職種であれこれ不毛な揚げ足取りをしているなんて、その遙か前段階の話だろう。

 

  • そして緒方議員へのバッシングが始まると。「親学」などという何の根拠もなくバカげたものに負けてはならない。日本が先進国を自称するのであれば、先進国にふさわしい社会を作るべきだろう。少なくとも、現在の日本は先進国のスタートラインにすら立てていないことに気づくべきだ。
  • そして、菅野完氏が25日の時点で言っていたこと、当たってるよぉ

しかしまあ、TwitterもFBもやってないけど、だいたい見当つきます。どんな連中が緒方議員のことを悪し様にういてるか。そしてどんな連中が緒方議員を擁護する人を茶化してるか。こういうときだいたいでてくるのは、つるの剛士あたりです。ああ言う立ち位置の人が使われるのよ。イクメンキャラ文化人は絶対こう言う時使われる。 

 

lite-ra.com

(略)

 そして何より、つるのはあの「親学」の広告塔的役割を果しているからだ。たとえば、つるのは、2014年4月に西尾青年会議所主催の「親学のススメ」なるイベントに親学ディスカッションのパネリストとして参加。昨年5月にも松本青年会議所主催の親学をテーマとした「子育てフォーラム」というイベントでもパネリストをつとめている。

 親学とは本サイトでも繰り返し指摘している通り、日本会議の中心メンバーである高橋史朗が提唱する教育理論で、「児童の2次障害は幼児期の愛着の形成に起因する」などと主張するもの。“子どもを産んだら母親が傍にいて育てないと発達障害になる。だから仕事をせずに家にいろ”という科学的にはなんの根拠もないトンデモ理論だ。

 前川喜平前文科事務次官は、本サイトの室井佑月氏との対談で、この親学について、安倍政権の教育政策の背景にある考え方であると指摘したうえで、こう批判している。

「親学というのは、子どもに問題があるのは「親がしっかりしてないからいけない」という考え方です。しかし、いくら「しっかりしたい」「がんばりたい」と思っていても、余裕のない親はたくさんいる。そういう問題を解決しないで「親がいけないんだ」と親の責任にして押し付ける。結局、それでは貧困や母子家庭であえぐ子どもたちを救うことにならない。“親がしっかりすればいい”なんて論理は、つまり“社会的なケアなど必要ない”と言うのと同じです。」
親学は、「家族が大事なんだ」という考え方でもある。私は個人主義だから個人が社会の単位だと思っていますが、しかし親学は“家族が社会の単位”という考え方です。個人であることよりも家族の一員、一族の一員であることが大事だという。この家族主義的考え方は、じつは、戦前の国体思想でもある。戦前の教育勅語で示されている考え方です。そして、そのベースには家父長制の家制度があった。そこでは親孝行こそ最大の美徳になる。家族なんだからという理屈ですべてを吸収してしまう。」

 つるのが、こうした女性の社会進出を是としない親学の考え方に共鳴していることを考えれば、「保育園落ちた日本死ね」や今回の熊本市議赤ちゃん同伴に難癖をつけているのも、「汚い言葉」「問題提起の仕方がよくない」などというのが建前にすぎないとよくわかる。

  しかもつるのが悪質なのは、こうした親学との関係を隠し、あくまで“イクメンパパ”“日本大好きあんちゃん”といったキャラクターを装っていることだ。

 たとえば以前、Twitterでユーザーから日本会議との関係を指摘された際、

〈は、はい? 関係??存在すら知りませんが。。 勝手な妄想でレッテル貼りやめていただけませんか。〉

 ととぼけてみせた。100歩ゆずって「日本会議」については知らなかったのかもしれないが、「親学」との関係、過去に「親学」イベントに参加していることについて指摘されても、つるのはとぼけ続ける。

〈は、はい?どこからそんな話になるのか、、意味不明です それなんだかよく言われますが親学ってなんでしょうか?全く知りません。詳しく教えてください。〉 

〈僕がその親学とやらを教える会に??いやいや、僕はありがたいことに全国育時関係のイベントやトークショーにも呼んでいただいてますが、自分の育時の話しかしたことありませんし、ネット情報だけで突っかかってこられても、、ねぇ。。 いつか来てね!〉

 言っておくが、つるのが過去に「親学」イベントに参加したというのは、真偽不明のネットの噂などではなく、公式なポスターや告知なども確認されている事実である。また、もし1回だけなら「親学」についてよく知らず広告塔として利用されただけという弁明も通用するかもしれないが、つるのは複数回参加している。

 それだけではない。「親学ってなんでしょうか?全く知りません。詳しく教えてください」と無知を装っているが、それに対してユーザーが「発達障害、例えば自閉症は親の愛情不足が原因などと科学的に間違いを教える団体が『親学』です」と解説しても、つるのはそれをスルー。親学の内容を否定することはしないのだ。

 つるのは毎日のようにテレビに出演し、Twitterでは約59万人のフォロワーをもつ売れっ子タレントであり、意図的か無意識かはわからないが、明らかに百田尚樹竹田恒泰ネトウヨ界隈の主張と地続きにあるような内容を、彼らのような極端なトーンでなく、“よき誠実な父親”というキャラクターのままで拡散していく。ある意味、ネトウヨにしか言葉が届かない百田や竹田よりもはるかに影響力が高い。

 今回の緒方議員に対するツイートも、「本当に悩んでいる働くママ達や子供が結局一番可哀想な思いをしてしまう」などと“子ども思いのイクメンパパ”というキャラクターを前面に出すことで“子育てのご意見番”からの正論のように受け止められる。それは、緒方議員へのバッシングを煽動し、女性の社会進出や子育てしやすい社会のための議論を封じ込めるものだ。その意味で、つるのの発言は非常に罪深く危険な発言だ。

 この問題は、ロイター、ワシントンポストBBCなど海外メディアでも広く報じられている。オジサン議員たちが緒方議員と赤ちゃんを取り囲む写真ととともに、赤ちゃんを議会から締め出したとして、議会の対応が批判されている。

 しかし現在の日本では、この緒方議員の切実な訴えよりも、つるのの発言のほうが賛同を集めてしまっている。女性や子ども、マイノリティが排除される社会は、結局は誰にとっても生きづらい社会でしかないと思うのだが、暗澹たる気持ちにさせられる。