- やっぱり勝つのか自民党。あんだけ首相がボロクソ言われているのに、不思議な国だよな。
憲法観、重なる2人(毎日新聞 2017年10月12日)
2000年11月30日の衆院憲法調査会。参考人として呼ばれた石原慎太郎・東京都知事(当時)は、連合国軍総司令部(GHQ)占領下でやむなく憲法が制定されたとして「(現憲法を)国会で否決したうえで、どこを直すかの意見が始まったらいい」と持論の憲法無効論を披歴した。
「いったん現行の憲法を停止する、廃止する、そのうえで新しいものをつくっていく」。さらに小池氏は「米国とすれば、日本に憲法を変えさせないのが最大の戦略。(日本を)がんじがらめにしておく」とも述べた。バブル期に「『NO』と言える日本」を出版した石原氏張りの対米依存批判に聞こえる。
同年5月11日の衆院憲法調査会では、現首相の安倍晋三氏も意見を述べている。「占領下にある、大きな強制の中で憲法の制定が行われたのは常識なんだろう。日本人にとって精神に悪い影響を及ぼしている」
当時は同じ衆院当選2回。自民党の若手リーダー候補だった安倍氏と、日本新党、新進党など非自民勢力を渡り歩いた小池氏の歩みは異なるが、底流は「押しつけ」憲法観でつながる。
それから17年たった今年5月3日、首相は憲法に自衛隊を明記する改正方針を表明した。前年8月に東京都知事に就任した小池氏が7月の都議選へ向けた準備を進めていた時期だ。
そのころ、首相ブレーンの憲法学者が日本維新の会幹部と東京・赤坂の焼き肉店で会食し、都議選への候補者擁立を見送るよう求めた。会食には、小池氏が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」関係者も同席していた。
「維新が都議選で都民ファーストと対決しなければ、その後の連携がしやすくなる」。首相ブレーンの言葉は、維新との連携を小池氏に促し、小池氏が国政新党を結成した暁には協力してほしいという首相の思いを代弁したものだった。
結局、維新は都議選に4人の候補者を擁立したが、今回の衆院選小選挙区では一部ですみ分けが成立。希望の党が拠点とする東京と維新の大阪で双方が対立候補の擁立を見送った。