Muho’s diary

小説などを書いている大倉崇裕のオタク日記です。

小説などを書いている大倉崇裕のオタク日記です……が、最近は吠えてばかりです。見苦しくて申し訳ありません。でも、いま日本を支配している政治家とその一派の方が遙かに見苦しいでしょう? ちなみに、普通の日常はこちらです。https://muho2.hatenadiary.jp

相棒の思い出

Muho2014-02-16

  • 「相棒」といえば、漫才の台本に尽きる。犯人と被害者が漫才師であるのだから、当然、作中ではたっぷり漫才をやって欲しかった。
  • 漫才といっても、いろいろなパターンがあるが、二人にやって欲しかったのは、「夢路いとし・こいし」師匠のような、とぼけたしゃべくり漫才だった。漫才の台本は、作中で使う使わないに関わらず、最初から最後まで、まるまる一本分用意するつもりでいた。さて、その台本をどうするか。自分で作ってもよかったが、どれだけ知恵をしぼったところで、結局は大倉崇裕の作ったものからは抜けだせない。漫才の台本からは、どうしても、大倉崇裕臭を消し去りたかった。
  • そんなとき観たのが、「KUSARE芸道R」の芝居だった。主催である岸哲夫さん(http://ameblo.jp/pishisan/)の脚本、演技に痺れた。友人を介して何度かお会いした経緯もあり、思い切って、漫才台本丸々一本をお願いした。岸さんは快諾して下さり、本当に丸々一本、漫才の台本を作ってくださった。
  • 台本は素晴らしいものであり、小説の演出によってぶつ切りになんてできないものだった。結果、いただいた台本は、ほぼすべて作中で使わせていただいている。
  • 岸さんには、今でも感謝している。岸さんなしに「相棒」は成立しなかった。
  • 「相棒」が捧げているのは(コロンボ好きには明々白々であろうが)、「忘れられたスター」である。忘れられたスター→木に登る→突き落とす! の流れが一瞬で閃いた。
  • 「相棒」で一番苦労したのは、実はタイトルだ。それまでのタイトルはどれも刑事コロンボを意識した「○○の○○」や「○○した○○」でやってきた(『相棒』の前に『マックス号事件』があるが、連載時は『福家警部補の帰還』というタイトルで発表していた)。今回も当然、その流れを踏襲するつもりだったが、どうにもならず、ふと浮かんだ「相棒」というタイトルに魅入られる格好で、決定となった。コロンボ風タイトルからの逸脱は、単行本化の際にけっこう突っこまれた。「相棒」や「プロジェクトブルー」に後悔は一切ないが、三冊目「福家警部補の報告」からは「○○の○○」にこだわってタイトルをつけている。