Muho’s diary

小説などを書いている大倉崇裕のオタク日記です。

小説などを書いている大倉崇裕のオタク日記です……が、最近は吠えてばかりです。見苦しくて申し訳ありません。でも、いま日本を支配している政治家とその一派の方が遙かに見苦しいでしょう? ちなみに、普通の日常はこちらです。https://muho2.hatenadiary.jp

特捜最前線

  • 特捜最前線第94話「恐怖のテレホン・セックス魔」(脚本・長坂秀佳 監督・天野利彦)を見て、あまりの面白さにふらふらとなる。

[ストーリー]
電話の数482万台、普及率60%、嫌がらせ電話の数12万件。女性10人中8人が嫌がらせ電話の被害を受けている(1979年)。白木容子は夫と子供2人の4人暮らし。そんな彼女の許に、イタズラ電話がかかりはじめた。嫌がらせの度合いは次第に増し、容子は半ばノイローゼ状態に。彼女は知り合いである船村の妻に相談。船村刑事は白木宅を訪れ、電話をかけてきた犯人に一括を浴びせる。
だが、この一言はかえって犯行をエスカレートさせることに。犯人は夫の勤め先に電話をかけ、容子が浮気をしていると吹き込む。事態を重く見た船村は単独で捜査を開始。船村対電話魔の対決が始まった。
犯人は電話口で猥褻な言動をくり返す。船村はその声を録音。背後の音声を元に犯人像をしぼりこむ。電話の多くは昼休みの時間帯にかかる。使用しているのは公衆電話。バックには都電の音が入っている。犯人は白木家の比較的近所に住み、勤務時間中は席をはずすことができない男。
その間も、犯行はますますエスカレート。たまりかねた容子は電話番号を変えると提案。番号を変えられては、犯人への糸口がなくなる。だが、船村の説得も虚しく、容子は番号を変える。
だが、犯人は親類より巧みに番号を聞き出し、イタズラ電話を続ける。注文していない下着が届く、真夜中に救急車を呼ばれる、葬儀の花輪を送られる、ついには玄関先に猫の死骸を吊り下げられることに。
電話の回数から、犯人が水曜定休の仕事をしていると推理した船村。やがて森浦という理容師が浮かぶ。犯人は彼に間違いない。容子に対する行状から脅迫罪の成立は確実。だが証拠がない。イタズラ電話の現場を押えようと森浦を尾行する船村。
しかし、狡猾な松浦は逆に船村を暴力刑事に仕立て上げ、ついには辞職寸前にまで追い込んでしまう。辞職覚悟で捜査に臨む船村。その結末は。

  • これが書かれたのは1979年。とにかくこの事実がすごい。新宿駅西口にはずらりと赤電話が並んでいた時代である。
  • 犯人が行ったことは、基本的にはイタズラ電話のみ。それが一人の人間を徹底的に追い詰め、家庭崩壊寸前の状態に陥れる。現代であれば、充分「犯罪」として認識もされようが、当時はまだ「しょせんイタズラ」と思われていたわけで、そこに着眼した先見性をただただ評価するしかない。
  • 本作の犯人松浦を演じているのは、西田健。「岸田隊員」と「テレホンセックス魔」。この二役を抜きにして、西田健は語れない。
  • 「電話」を凶器に見立て、徹底的に被害者を痛めつける前半。狡猾極まりない犯人と船村が対決する後半。見事なコントラストである。これもまた、ベスト10に入るかなぁ。